ギイ・ジルの映画
このところ日本で公開されてなかったヌーヴェル・バーグの作家の作品が観られる機会が増えて嬉しい。 ジャック・ロジェとかめちゃくちゃ面白い。 学生の頃はジャック・ロジェのよさがわからなかった。「アデュー・フィリピーヌ」キツいわと思ったし。女子たちどうしていつまでも笑ってばかりなの?しかし中年になって見直したらええ…めっちゃ面白いじゃん…しかも笑ってるのめっちゃいいじゃん…あの頃の自分どうかしてたわ。 でもヒリヒリとした「幸せ…?それ何のこと?」みたいな物語からしか栄養を摂取できない時期ってあると思う。 ギイ・ジルという映画作家を初めて知った。 「オー・パン・クペ」はPatrick Jounéという俳優がとても良かった。この映画で初めて知った。仏のWikiを読むと物語がリアルとリンクしていると感じるが、それこそヌーヴェル・バーグである。ゴダールの恋人のいる時間に出ていたマーシャ・メリルが歳上らしい包容力のある彼女を演じていた。脚がとてもきれい。 映画は柔らかい光のモノクロームで始まり、時々カラーフィルムに切り替わる。これが美しい。「オー・パン・クペ」(カフェの名前だ)のカラーが愛の思い出なら「海辺の恋」のそれはエモーショナルな時間だろう。街を歩いて、言葉を交わして、ふと湧き上がる生きていることの実感。 窓に向ける物憂げな表情。まつげに降りる光。白い手紙。街の息づかい。すべての描写が何ともいえず優しい。 気に入った場面を思い出そうとするとカラーだったのかモノクロームだったのか曖昧になる。それってまるで夢に似ている。 陽気な友人に宛てた手紙のモノローグ、希望を感じさせて良かった。